お客様の現場の課題をお客様と共に解決する、それが如何に難しくても挑戦しないという選択肢など、私たちにはありません。
お客様の現場の課題をお客様と共に解決する、
それが如何に難しくても挑戦しないという選択肢など、私たちにはありません。
創業当初、私たちは米国製潤滑油の輸入商社でした。しかし、お客様のあるお悩みを聞いてそれを解決したとき、薬品と装置を開発・販売するメーカーとなっていました。だからと言って、私たちはメーカーであろうとは思いません。お客様にソリューションを提供し続ける、それがメンテックの使命なのです。

商社からメーカーへ、それはお客様の現場の課題を解決するためでした。

工業用潤滑油の輸入代理店として創業した当社が、製品を納入するだけではなく補充もしてほしいというお客様のご希望を受けて充填サービスを始めました。製造現場を定期訪問する機会が多くなったなか、現場が抱える深刻な課題を聞くようになり、そこで「潤滑油の劣化度合いは都度サンプリングしないと分からない、その作業が大変で時間が掛かるため何とかならないか」というご要望を耳にしたのです。その時、私たちは商社だからと断ることはせず、むしろそのご要望に応えるため、潤滑油の状態を常時監視することが可能で、かつ各軸受けへ自動的に給油を行う『自動給油装置』を独自に開発しました。その結果、お客様から大変感謝していただいたのです。

これをきっかけとして、私たちは主力のお客様であった製紙工場の現場の課題に、積極的に耳を傾けていきました。古紙を使うとドライヤーが汚れて出る大量の紙粉で清掃が大変だ。紙の生産中に何度も断紙が起きて復旧にも手間がかかる。対策として定期的にマシンを止めてヤンキードライヤーに油を塗っているが、その職人が退職するのでなんとか機械化できないか… 。そこで開発したのが潤滑油の技術を応用したドライヤー表面潤滑法 DSL (Dryer Surface Lubricant)であり、これが後のドライパート汚れ防止技術 DSP (= Dryer Section Passivation) の基礎となる技術です。

私たちは、それらお客様のお困り一つひとつに応えて行くことを自分たちのミッションと決め、そして、技術とサービスによってそれを実現する事業へと舵を切ったのです。

自社開発のドライヤー軸受自動給油装置と創業者
自社開発のドライヤー軸受自動給油装置と創業者

お客様の最大課題、欠点と汚れに集中して、薬品・装置・制御を研究開発してきました。

やがて、私たちはお客様の最大の悩みに気づきました。それは、古紙を利用するとマシンの汚れが増えるだけでなく、その汚れが紙の欠点となり、時として紙の生産中に突如生じる断紙によって、ラインが全面的に止まってしまうこと。そして、復旧にあたっては多くの時間がかかり、その上、高温で巨大なマシンの中に入って行う作業は重労働で、しかも多くの危険を伴いました。そこで、私たちはこの問題に焦点を絞り、以来、原因を究明しながら改善を図りつつ、さらなるソリューションを生み出そうと日夜、研究開発を続けているのです。

その第一は、まず主因となる欠点と汚れへの対策でした。そのために、DSL をベースとした潤滑油由来の薬品をはじめ、それを散布する装置、そして散布の場所や量といったノウハウ・方法の3つを組み合わせたドライパート汚れ防止技術 DSP (= Dryer Section Passivation) の研究開発を繰り返し、お客様と共にフィールドテストを進めて行ったのです。現在、私たちの主力製品となっているドライヤー汚れ防止薬品『ダスクリーン』・カンバス汚れ防止薬品『クリーンキーパー』とその薬品散布装置である『ミストランナー』、『シャワーランナー』などは、この時の現場の皆様のご協力がなければできていなかったでしょう。お客様には、そこまでご信頼いただいたことに感謝の言葉もありません。

ドライヤー表面潤滑法 (DSL)
ドライヤー表面潤滑法 (DSL)
ドライパート汚れ防止技術 (DSP)
ドライパート汚れ防止技術 (DSP)

やがて、DSP は板紙マシンの標準技術となり、普及率は国内シェア99%、アジアで70%を達成。そして、2019年から、欧米へ本格進出。(注:シェアは生産量換算)

時を経て、私たちの DSP は、その欠点・断紙の防止効果に対するお客様からの評価も加わり、日本の板紙マシンのほぼすべてに設置されるようになりました。そして、2000年以来、お客様の海外進出をきっかけに台湾、韓国、東南アジア方面、そしてオセアニアへも独自で進出し、中国においては2010年に現地法人「明答克」を設立して、シェア70%以上を獲得するまでに至っています。

欧米市場に対しては、事前のマーケティングの後、2019年から本格的な進出を開始しました。2020年にはドイツ・デュッセルドルフに現地法人 Maintech Europe GmbH を設立し、ドイツ、フランス、スペイン、ルーマニアをはじめとして、欧州主要国に展開を進めています。さらに、2022年にはアメリカ現地法人 Maintech USA Corporation を設立し、本格的な営業を開始しました。導入いただいているお客様からは、製品品質やアフターサービスの充実度について高い評価をいただいております。

今、まさに、日本で生まれた「地球に優しい紙作り」の技術が世界に広まっています。

2020年、現地法人 Maintech Europe GmbH を設立(ドイツ・デュッセルドルフ)
ドイツ現地法人を2020年に設立
アメリカ現地法人を2022年に設立
アメリカ現地法人を2022年に設立

お客様の未来を拓く、新・統合システム“SmartPapyrus” が、スタートしています。

一方、技術面では私たちの大きなビジョンが動き始めています。薬品・装置・制御によってシステムを構成する当社の製品は、今後、自動化をさらに進める IoT 化を加速し、いよいよ BigData の解析と AI による予知制御にまで踏み込もうというのです。私たちは、未来を見据えたこのビジョナリーなシステムを、‟SmartPapyrus”(スマートパピルス)と命名しました。

2022年にリリースした「SmartPapyrus 1.0」は熟練オペレータの欠点に対する知見・暗黙知をAIモデルに組み込み、欠点検出器の画像データを瞬時に分類、視覚化する欠点画像分類システムです。これまで活用できなかった膨大な数の中小欠点のトレンドも監視できるようになり、継ぎ手対象欠点の予兆分析が可能となります。

このシステムは、必ず生産プロセスの劇的な変革を目指せるものと自負しております。これにより、生産性の向上はもちろん、人的作業を軽減して働き方改革や継承問題への対応を可能にし、総じてお客様の競争力強化に貢献しようと思います。

お客様の未来を拓く、新・統合システム“SmartPapyrus”が、スタートしています。

これからも、私たちは、お客様のあらゆる課題に対する
ソリューションを第一に、事業を進めて参ります。